![]() 小説『桜の奇跡が舞い降りる』第11話
「ゴンちゃん、今日一緒に日直だったよね。日誌のコメント書かないと提出できないから、ちゃんと書いてほしいな
![]() そう言って、ピンクは黒い表紙のノートを、ゴン太に差し出した。
「そんなの適当に書いといてくれないかな」
「ダメだよ。字の感じも違うし。ゴンちゃんの字って、こう、何というか四角張ってるじゃない」「そうだよな。お前の字、何だか丸っこいし」
二人の親しげな会話を聞きながら、僕は何となく切ない気持ちになる。
![]() 一瞬、ピンクはこちらを伺うようにチラリと僕の顔を見た。いつも見せるような天使のイメージとは違う雰囲気を感じる。
僕は会えて嬉しいという気持ちと、そっけなくされて哀しいという気持ちと、最後に立ち上ってきた怒りの感情で、ごちゃ混ぜとなった。
「先輩? お腹でも痛いんすか。ものすごく、顔青ざめてますけど」
ゴン太が震えている僕の横で、心配そうに顔を覗き込んだ。
![]() 「おいっ」僕は、顔をバッと上げて、ピンクの顔を真正面から見た。
ピンクは、驚いたように、目をきょろきょろさせて落ち着かなくなったようだった。
![]() (何で、急に来なくなった?
僕は、いつもあの花壇のほうを見ていたし、実際何度も、足を運んだのに、君は一度も来なかった…。)
そんな言葉をぶつけたい気持ちでいっぱいになった。
「ちょっと来い」僕は、ピンクの小さな手をしっかりと掴んだ。
横でゴン太が呆気にとられたように僕たちを見ている。
![]() 僕は、日誌を持っているピンクの体を抱きかかえるようにして、廊下を走り始めた。
ゴン太が遠くで、「おーい、桜野ぉぉぉぉ。日誌どうなるんだよぉぉぉぉ」と叫んでいる。
こちらの知ったことではない。廊下を全速力で走る僕の横で、ピンクの三つ編みが風になびいている。
廊下にいる生徒たちが身を翻して、道をあける。
中には、「よっ、お二人さん、お熱いねぇ」と野次を飛ばすものもいた。
愛しいブログ読者さまに雪崩のごとく桜の奇跡
![]() ![]() ![]() ![]() 今日は失恋ショコラティエさまですね〜
笑っていいともに石原さとみさまが出演されてました
![]() ![]() ありがとうございます
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